仕事で少しエンジニア的なタスクをすることになったので、前から気になっていた『世界一流エンジニアの思考法』を読んでみました。
Amazonレビューも約1,700件近くあり、かなり話題になった本です。
結論、かなりの良本でした。
エンジニアの人以外にも断然おすすめできる本内容だったので、自分なりにこの本の良いポイントをまとめてみます。
著者が天才じゃないから良い
まず、本のタイトルを見て「天才プログラマーがドヤっている本なのかな?」と思いましたが全然違いました。
著者の牛尾さんは、自称エンジニアの才能が全然無いけれど、努力と工夫で世界トップレベルのMicrosoftのクラウド開発のチームにジョインした人です。
そのため、一般人に近い目線からトップエンジニアの思考法を客観的に分かりやすく説明してくれます。
「こんなの普通にできるでしょ?」という上から目線では感なく、あくまで「トップエンジニアの何が違うのか、どう考えているのか」を実際の経験を元に解説してくれるので、説得力が違います。
牛尾さんの悩みも「わかるわ~」というものばかりなので、すらすら読むことができました。
エンジニア以外にも役立つ内容
エンジニアが書いた本なので、エンジニアの人だけが読む本かと思いましたが、そんなことは全くありません。
なぜなら、システム開発の現場の話がメインですが、語られているのはエンジニアの技術ではなく考え方や取り組み方だからです。
どんな職種の人にも役に立つ内容になっているでしょう。
特に、「何かの専門性を身に付けたい人」に役立つ本だと思いました。
学んだ点
特に自分が印象に残った点です。
理解には時間がかかる
「Microsoftで働く世界トップレベルのエンジニアは、どんな難しい内容でも一発で理解しちゃうんだろうな~」と思っていませんか?
どうやら、そんなことは無いそうです。
トップエンジニア達も、難しい内容は繰り返し学習して理解を深めるのです。
そして、その蓄積があるから新しい内容の理解が異様に早い様に見えるのです。
たしかに、自分も「東大出身の政治家は一度見たものは忘れない」なんて天才エピソードを聞いて落ち込むことがあります。
ただ、世界トップレベルで働くエンジニアでもそんなもんなんだと思うと非常に安心できました。
何も天才である必要はないし、目指せるものでもないですからね。
自分は何事にも拙速で、つい理解をおざなりにして進めてしまうきらいがあります。
理解に時間をかける、この点は特に注意しようと思いました。
すぐに手を動かさない
システムでなにかエラーが発生した時は、すぐにあれやこれやと試して解決したくなりますよね。
トップエンジニアは、「まずは仮説を持つ」そうです。
仮説の中から有力そうなものをピックアップし、そのときに初めて手を動かす。(プログラムを実行するなど)
そうすることで、試行錯誤にかかる膨大な時間を短縮しているのです。
解決を急いですぐにあれやこれやと動いてしまいそうになりますが、まずはバグの原因(事実)をきちんと確認して、その上で動くことが大切だと感じました。
構造を理解する
トップエンジニアが多くのことを把握できるのは、「メンタルモデル」を持っているからだそうです。
メンタルモデルとは、世界を理解して新しい状況に対応するためのイメージです。
トップエンジニアはみな独自のメンタルモデルを持っていて、そのためにどんな事象についてもすぐに状況を把握できるのです。
例えば、牛尾さんは「システム思考」の考え方で物事を理解するそうです。
このように、ある物事をその目的や背景も含めて構造で理解する、というのを習慣にすると、結局物事が効率的に進むんだなと再認識できました。
仕事が「ものになっていない」感がある人はぜひ読んでほしい
普段仕事に追われている中で、目の前のことを何とかこなしても結局何の知識にも経験にもなっていないと感じることはないでしょうか。
そんな悩みを抱えている人は、ぜひ『世界一流エンジニアの思考法』を読んでみてください。
仕事で悩む若い人だけでなく、趣味を始めたい40代以降の人にもおすすめの一冊となっています。