「転職のための資格を取らなきゃ」という声をよく聞きます。
確かに、良い資格を履歴書に書ければ、「この人はちゃんと勉強もする人だな」と良い印象を持たせることが出来るようにはなると思います。
ただ、余りにも「資格勉強のコストパフォーマンス」を考えている人が少ない気がするのも事実です。
個人的には「転職に資格の優先度は低い」と思っており、今日はその点をご説明したいと思います。
中小企業診断士の平均勉強時間は1,000時間
例えば、コンサル業界で人気のある中小企業診断士の平均勉強時間は1,000時間と言われています。
これは、一次試験の筆記では7つの科目を勉強しなければならず、さらに二次試験では別途口述の準備をしなくてはならず、非常に勉強対象のボリュームが大きいからです。
確かに、中小企業診断士を持っていれば一目置かれることは間違いないですし、履歴書の見栄えをも大分良くなるでしょう。
しかし、投資対効果を考えると、中小企業診断士の勉強に1,000時間かけることは本当にコストパフォーマンスは良いと言えるでしょうか。
計1,000時間というのは、平均で1日3時間勉強しても約3年もかかります。
1日3時間捻出するのが如何に大変かは、働いている方ならよく分かると思います。
1,000時間の投資対効果は?
もし1,000時間を他の事に割り当てたら何が出来るでしょうか。
本なら1冊読み終えるのに平均4時間かかるとすると250冊も読めます。
毎日仕事に直結する本を3時間も読むことが出来れば、その分野ではかなりのスペシャリストになれる読書量です。
また、転職の目的の多くは年収アップだと思いますが、もし副業に1,000時間かければ、恐らく月5万円は稼げるようになるのではないでしょうか。
また、毎日3時間本気で人脈作りに充てるとしたら、かなり輪を広げることも出来るでしょう。
1,000時間というのはそれだけのことをなし得る時間資産ということです。
転職の武器は資格より若さ
周りを見ていると、どうやら30歳前後で資格勉強に目覚める人が多いと思います。
仕事にも慣れて来て、ちょっと転職を考始め、資格でも取っておくか、というところなんでしょう。
ただ、自分のアドバイスとしては、転職勉強をのんびりするよりも、少しでも若い内に転職活動を実際に始めてしまうことをおすすめします。
転職市場では、やはり未だに若さがかなりの武器になることは間違いないです。
そして、詰まるところ転職後の仕事は転職後に実際にやってみないと伸ばせないという厳然たる事実があります。
いくら準備を重ねても、実践をしながらのインプットとは圧倒的な差があるのです。
最後に
最近周りを見ていて、仕業でも無いのに資格勉強をする人が増えたな、という印象です。
在宅勤務が増えて可処分時間が増えた影響でしょうね。
ただ、それなりの時間を資格勉強に投資する場合には、やはり得られるリターンを「いつどの様に得られるか」まで明確にした上で取り組むことが非常に重要かと思います。
何となく資格勉強をしている人は一度目的を考えてみると良いと思います。
以上、転職のために資格勉強をする時の注意点でした!