日々、働き方や働き方への意識が急速に変わっていっているのを感じます。
特にコロナ騒動以後は、本当に劇的に仕事への価値観が変わったように感じています。
実は、最近では自分も目の前の案件へのやる気を中々高めることが出来ず、この違和感は何だろう?と感じていました。
要は、自分をしっかり使い切っている感覚が無いんですよね。
また、相手にしているお客さんに対しても、情熱を持っている人が全くおらず、日系大企業の制度が既に破綻していることを常々感じていました。
今日は、そんなわだかまりを解消すべく、「ニュータイプの時代」という本を読んでみました。
著者は、学生時代には美術史を専攻しながら、電通、世界的に有名なコンサルティングファームであるBCGを渡り歩いた山口周さんという方で、個人的には労働市場について、今最も先見の明がある人だと考えています。
今日は、「ニュータイプの時代」を読んで気付かされた点についてご紹介していきます!
問題を解決する<問題を発見する
最も示唆深かったのは、今後「問題を解決する人材」よりも「問題を発見する」人材が価値が高くなっていくという話です。
今の日本では、食料や日常生活についてはかなり充足されている状況で、いわばある程度の問題が解決済みである、といった見方が出来ます。
以前は、例えば「洗濯物を手で洗わなくてはいけない」といった問題があり、それに対して「洗濯機を安価に製造する」といったように、問題が明確、かつ大量に世の中に存在しており、「洗濯機を安価に製造する」といった解決策を、如何に現実的に解決していくか、を考え実行出来る人材に価値がある時代でした。
一方、今は世の中の全体として問題の量がこれまでより減って来ており、問題解決スキルが供給過多になってしまっている状況なのです。
また、問題解決の方法も世間に広く知れ渡り、コモディティ化してしまったため、結果与えられた問題を解決するだけの人は価値が低くなってしまっているのです。
そのため、今後、自分であるべき姿を考え、問題を定義出来る人材の価値が高まるであろう、とこの本では言われています。
未来を予測<未来を構築する
また、「未来を予測する」ことの難しさについても言及されています。
例えば、リーマンショック直前の大手の超有名証券会社達の見通しが全く誤っていた事例や、著者がBCG時代に参画していた未来予測レポートが悉く外れていたことを証拠として提示しています。
さらに、今後社会はよりVUCA(Volatility(変動)、Uncertaint(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity曖昧))になっていくと想定され、ますます未来の予測が意味をなさなくなる可能性が高いと思われます。
その様な社会動向の中で、今後は「未来を構築する」人が成功すると述べています。我々の世の中は、多くがたまたまそうなっているのではなく、大抵はどこかの誰かのアイディが形となって、その連続により徐々に社会が変わって来ている訳です。
そのため、そのような社会に変革をもたらす側に立つことにより、VUCAな社会な中でより先んじて動けるようになるということです。
KPI<意味
また、この本の中でニュータイプと対比される「オールドタイプ」人材は、KPI(重要指標)にて仕事を評価するが、今後このようなKPIによる管理の価値は薄れ、意味を提示出来るニュータイプが成功していくと述べられています。
基本的な問題が解決された世の中において、さらに量的な発展を求めても、もはや僕らは幸せを感じられなくなっており、それは企業のサービスにおいても同様です。
その様な中で、単純に「前年比○○%増」を目指したところで、(株主は喜ぶかもしれませんが)従業員のモチベーションを向上することは難しくなります。
それよりも、その仕事がどの様な意味を持ち、どのように社会や人に対して役に立つかを説明する力が、今後従業員、プロジェクトのリーダーなら部下をモチベートさせらるかの肝になって行きます。
最後に
この本を読んでまず思ったのは、「あれ、自分は完全にオールドタイプの価値観じゃん!」ということでした。KPI管理が好きだし、どちらかというと分かりやすい量的な拡大を求めるし、ストーリーとか意味とか言われたもふわっとしてるし…と考えていたためです。
一方、自分の価値が徐々にコモディティ化していって来ている危機感も感じており、その意味で、この本に書いてある内容は非常に納得がいくものでした。自分は、未来の働き方についてはかなり楽観的に見ている方で、誰もがやりたい仕事が出来る時代が、遠からず来ると考えています。
ただ、そのような時代が来る前に、求められる人材がドラスティックに変わっていくことが予想され、その波の中でまずは生き抜く必要があると考えています。
これから目指すべき「人材像」についての示唆が非常に得られる本、かつ読みやすい本なので、「今後どうやって仕事を選んでいこう…」と考えている方は、仕事を選ぶ時の軸を作るためにも、是非こ「ニュータイプの時代」を一読してみることをおすすめします!