本日は、よく聞かれる「SEとITコンサルタントの違いって何?」についてお答えしようと思います!
私自身、新卒でSIerに入社後、SEとして10年近く働いた後、ITコンサルティング会社に転職しましたが、正直思ったよりも違いが大きく、最初はかなり面食らいました。
「え~最近はSEも上流を狙うようになって来て、もうほぼ一緒なんじゃないの?」と考えている人も多いと思いますが、実際に両方をがっつり経験した身として思うのは、「マインドから必要なスキルまで全く違う」ということでした。
ITコンサルタントはSEの代表的なキャリアアップルートと思われていますが、転職後ギャップに意外と苦労する人が多いのも事実です。
今回は、両方の職種について、実際に転職して感じた一番の違いを説明したいと思います!
SEは言われたことをきっちりやる仕事、ITコンサルタントは提案する仕事
SEの仕事とITコンサルタントの違いは、一言で言ってしまうと「クライアントに言われたことをきっちりやる仕事」と「クライアントに何をすれば良いかをアドバイスする仕事」の違いです。
まず、SEの仕事は、基本的にはクライアントの頭の中にやりたいことがあり、それを具現化していく仕事です。
「無人レジ化したい」「倉庫管理システムを刷新したい」といった既にある程度形のある要望に対して、どういったソリューションでどういった体制を組みどういったスケジュールで進めれば良いかを考え、実際に実行していく、という流れがメインです。
基本的に「正解」はクライアントの頭の中にあり、それを要件定義や設計によって形に落としていく仕事なのです。
そのため、SEに向いているのは「言われたことを(疑問を持たずに)きっちりやるタイプの人」です。
その意味では、日本の教育で育つ人材像に非常にマッチしている仕事ですね。
日本でこれだけSEという職種が大きくなっているのも、その影響があるのかもしれません。僕は新卒でSIerに入社しましたが、その時に感じた印象は、残念ながら「意思」がある人が全くいないということです。
確かに、経歴としては一流校を出ていて座学の勉強が得意で一見優秀な人が多いのですが、かなり金太郎的な人が多いな、という思いが常々ありました。
それもそのはずです。SEは、クライアントに言われたことをきっちりやり通すが最も重要なので、個性よりも忍耐と協調性が求められる仕事だからです。
正直自分も転職するまでは最初に感じた違和感を上手く捉えられてなかったのですが、転職することによって、SEの特徴について客観的に把握することが出来るようになりました。
一方、ITコンサルタントはクライアントに「何をするべきか」を提案する仕事です。
先程の例で言うと、「無人レジを作るべき」「倉庫管理システムを刷新するべき」という結論に持って行くまでがITコンサルタントの仕事です。
そのため、ITコンサルタントは「言われたことをやるだけ」とは真逆の「何をやるかを言う側」に立つという抜本的な意識の変革を求められます。
よってITコンサルタントは特定の領域についてクライアントより圧倒的に詳しい必要があるのです。
そのため、SEの様な「真面目で良い人」ではなく、言わばクライアントを導けるようなよりプロフェッショナルな人材である必要があるのです。
その意味で、ITコンサルタントは「自分の頭で物事を考え、新しい意見が言える人」でなければ務まらない仕事でもあります。
最後に
「SE」と「ITコンサルタント」は一緒くたにされがちな昨今ですが、個人的な「真逆の」人間性、スキルが求められる職種だと理解しています。
そのため、SEにはまろやかな人が多いですが、ITコンサルタントは尖った人が多く、キャラクターも大分異なります。
どちらが上と言うことは全くありませんが、一見似ている仕事でも求められるものは全く異なるので、その点はきちんと理解しておくべきです。
SEに就職しようかITコンサルタントに就職しようか迷っている人や、今はSEだけどITコンサルタントに転職しようか迷っている人は、ご自身のキャラクターや強みも鑑みた上で一考してみるのが良いと思いますよ。