この記事では、下記のような疑問をお持ちの疑問を解消していきます!「
今の時代はITでしょ!文系の僕でもSIerなら入れそうって聞いたけど、SIer入ったらITスキルは付くのかな?
昨今ではあらゆる業界でITの存在感が増しており、IT業界の人気が高まっています。
また、COVID-19による働き方変革や意識の変化があり、リモートワークがしやすい、生き抜いていくためのスキルとしてITを勉強したい!といった要望から、IT業界に興味が湧いた学生の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
IT業界にも、GAFAM、Web系ベンチャー、パッケージ専業ベンダ等沢山ありますが、、中でもSIerは、IT業界の中でも文系にも広く間口を開いている業種です。
最近は文系の学部を卒業したものの、IT業界人気が高まり、文系のIT業界志望者も増えているのではないでしょうか。
実は、僕も文系から新卒でSIerに就職したので、「文系がSIerで働くとどうなるのか?何を得られるのか?」は熟知しています。
なお、僕自身が文系からSIerに就職したのは、漠然と「ITスキルを身に付けて将来独立したい!」と考えていたからです。
では、実際にSIerに入ってどうだったのでしょうか?
結論から言うと、SIerで技術を高め手に職を付けるのは難しいと思います。
なお、ここで手に職を付けるとは、例えば副業や本業と出来るレベルのプログラミング力や、特定のITソリューションの技術を持つことです。
今回は、文系からSIerに入社し、自分が実際に感じたギャップを元に、SIerにの実態についてご紹介したいと思います!
結論から申し上げるとこの様になります。
- SIerでは手に職を付けるのは難しい
- SIerは長時間労働になりがち
- SIerだとITへの苦手意識が無くなる
会社からのキラキラした会社情報だけでなく、こういった実経験に基づく情報を知っておくことによって、皆さんの就職活動の糧になれば幸いです!
①SIerでは手に職を付けるのは難しい
まず、SIerで将来的に独立するためのスキルは身に付くのか?という点ですが、これは正直難しいと思います。
SIerに入れば、プログラミング力も付くのかな?と思う人がいるかもしれませんが、恐らくその可能性はかなり低いでしょう。
かなりざっくり言ってしまうと、SIerの仕事は、お客様がどういったシステムを作りたいのかを明確にすることと、プロジェクトの進捗管理です。
HTML/CSSを書ける様になってWebサイト制作を副業にしたいとか、AIのプログラミング出来る様になりたい、といった場合には、まずその様なスキルが身に付く経験をSIerでやることはありません。
自分はかなり知識の無い状態でSIerを選びましたが、文系を大量採用しているのは、お客さんとの調整や、プロジェクト管理等、調整系の仕事が大半を占めているためだと、入社してから気付きました。
SEが実際にPCで作業する時は、Excelによる進捗管理ややPowerPointによる打ち合わせ資料の作成です。
SIer=IT業界=ITスキルが身に付く!といった考えだとSIer入社後に「思ってたのと違う!」となるので、そこは気を付けた方がよいでしょう。
もちろん、たまにシステムのテストで、成果物のレビューをすることはあるのですが、論理的なテスト項目の精査であったり、部分的に少しモノを動かしてみる、といったレベルです。
ITのスキルを身に付けたい!という人は、身に付けたいITスキルを明確にした上で、Web系ベンチャーに入るのが早道ではないかと思います。
②SIerは長時間労働になりがち
また、もし将来独立を考えている方なら、ある程度自分の時間を確保して副業に取り組みたい!といった人も多いかと思います。
SIerはかなり長時間労働が蔓延している業界ですので、自分の時間を確保したい方は、注意した方が良いと思います。
システムというのは、プログラミングのコードが1行、というか1文字違っていただけでエラーが生じてしまうものです。
そのため、システムを作る工程が問題無く進むことはまずあり得ず、常に何かしらの問題が発生している状況が多いです。
特に開発したシステムをテストする段階になると、想定外のエラーが大量に出て来て、連日終電帰り、場合に寄っては泊まり込み対応、といった事態になることもあります。
また、SIerは労働集約型の仕事なので、仕事を早く終わらせてさっさと帰ろう、というマインドの人が少ない様に自分は感じました。
システムによっては、大規模リリースを連休の時に行うこともあり、担当によっては、連休がつぶれてしまうこともあります。
ここら辺は、ご自身の望む働き方と鑑みて注意した方が良いでしょう。
③SIerだとITに対する苦手意識がなくなる
では、SIerで働くメリットは無いのか?ということですが、あるにはあります。
それは、SIerで働けばITに対する広い知識が身に付き、ITに対する苦手意識が無くなることです。
SIerはある程度のシステムの開発において、作りたいシステムを決める上流工程から携わり、システム開発のプロジェクト管理を担います。
そのため、システムの全体像を広く浅く押さえておく必要があります。
システム全体像を押さえるためには、システムで使っているアプリケーションやDB、データ連携の流れ、そして開発に使われているプログラミング言語やパッケージを知る必要があります。
そのため、「IT」について広く浅く知識が必要になり、また、それを活用する機会が多々あるので(知らないと担当者と会話できない)、その点はメリットかと思います。
ただ、上に述べた通り、「特定のITスキルを高める」ことはまず経験できないので、その点は重々注意が必要です。
※ 浅く広くIT勉強したい!なら基本情報技術者試験がイチオシです!
最後に
SIerの実態、学べることについてイメージが湧きましたでしょうか?
「とりあえずIT業界で働けて文系でも出来そうなSIerを見ている」という方は、OB訪問や書籍により、よりSEの実態を押さえるのが良いと思います。
また、プログラミングをガリガリやりたいといった方は、Web系ベンチャーが今は最も良い選択肢になるでしょう。
SEはスペシャリストよりもゼネラリストが必要とされる仕事です。
もちろんどちらも重要ですが、ご自身の志向がどちらにあるのかは、よくよく考えてから決めた方が良いかと思います!
少しでもご参考になれば幸いです!